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ブログ/2018-02-15

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寄与分と特別受益

これは,相続に関して一方に不満があるときに問題になることが多いです。


法律素人に吹聴された場合も多いような気がします。


僕は,特定行政書士なので,訴訟に発展する可能性がある案件に関しては手を出しません。


どうしてもということであれば友人の弁護士を紹介することにしています。


紹介しても,マージンとかは入りません。


法律で決められていますので。


こちらの読者さんには何回か紹介していますけど,おさらいということで。


そもそも,遺産相続で度々起こる
寄与分と特別受益とは何なんやってことです。


共通するのは,どちらも被相続人の生前,
被相続人との関係性から相続財産に影響を与えていた場合に起こります。


まず,寄与分ね。


これ,被相続人の生前にその財産の維持や増加に貢献した相続人に対して
その貢献の程度に応じて法定相続分の枠を超えて,
他の相続人よりも多く遺産を相続させたげんと。
という考え方です。


民法904条の2にあります。


共同相続人中に,被相続人の事業に関する労務の提供または財産上の給付,
被相続人の療養看護その他の方法により
被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは,
被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から
共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし,
第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。
とあります。


「...」


大方の趣旨は,
相続人が被相続人の財産形成に貢献したのに,
これが相続処理で全く考慮されないと,
相続人間で不公平が生じるやんということですね。


だから,財産形成に影響しないような援助(日常的な食事の世話や病院への御見舞等)
は寄与分とはなりません。


で,大抵の相談ではこのかっこ内のことを持ち出されます。


で,次,特別受益です。


こっちは被相続人の生前に,ある相続人に対して特別な利益を与えていた場合に,
その利益の分は相続分の前渡しと考えて,
他の相続人よりも分割される遺産を減らしましょうや。
という考え方です。


民法903条に定めがあります。


代表的な例では遺贈や生前贈与がこれにあたります。


どーしょかな…


ま,条文ね。
(特別受益者の相続分)
共同相続人中に,被相続人から,遺贈を受け,
又は婚姻若しくは養子縁組のため
若しくは生計の資本として
贈与を受けた者があるときは,
被相続人が相続開始の時において有した財産の価額に
その贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし,
前三条の規定により算定した相続分の中から
その遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
です。


遺贈ってなんや?
とかは省きます。


ようは,こんな場合に法定相続通りに分けちゃ不公平が生じるやん。
てことです。


なので,相続人間の公平を保つために用いられるのが特別受益制度であり,
贈与してもらった価額を相続財産に組み込んだ上で
具体的な相続分を算定する方法です。


で,細かくは特別受益者についてなんですけど。
特別受益者となる相続人は,
被相続人の生前に被相続人から扶養の範囲を超えるような援助を受けた人です。


このような人を特別受益者と呼びます。


特別受益者は相続分算定において,
贈与してもらった金額を
相続分から差し引かれることにより,
具体的な相続となる取り分を算定されます。


すると,生前の援助を相続分の前渡しと処理することが可能となり,
相続人間の不公平を出さずに済むんです。


そして,特別受益の額はもらった時点の額で計算します。


被相続人から生前にもらった財産は,
「財産が滅失し,又はその価格の増減があったときであっても,
相続開始の時においてなお原状のままであるものとみなす(民法第904条)」


だから,もし相続開始時に使い切っていたとしても
それはあったものとして計算していきます。


じゃないとねー。


で,実際どやのん?
ですけど,


これは判例で認められたり,認められへんかったりで
白黒は出たとこ勝負感があります。


正味,「訴訟じゃ,戦じゃ!」
となるのであれば,先に見とくほうがエーですけどね。


で,寄与分についてはなかなか,渋い結果しかでてませんね。


よく相談を受けるのは,被相続人の介護援助に関して介護をしてきた場合です。


で,これね,
親族間の扶養義務の範囲内に留まる場合には,
「特別の寄与」とはいえず,寄与分が認められないです。


大抵これであきらめざるを得んっちゅうことになります。


で,もひとつは
「寄与分は相続人のみに認められる」ということで,
内縁の妻や養子縁組をしていない子供などは対象外となり寄与分を主張することができません。


ということで,当然,旦那さんが相続人なら奥さんもダメってことになります。


ここらへんは,今,民法改正の論議に組み込まれてるようですけどね。


実際,多いでしょうからね。


ま,認められる公算が強いのは,
「労務の提供」「財産上の給付」「被相続人の事業を協力」
などです。


金勘定が登場する場合ですかね。


で,特別受益なんですけど,903条文を参考にすると,
「被相続人から遺贈を受ける」
「被相続人から婚姻、養子縁組に必要な贈与を受ける」
「被相続人から生計の資本として贈与を受ける」
場合です。


で,具体的には,ある程度まとまった金銭・動産などの贈与を受けたとき。


よーは,親の土地に無償で子供が家を建てるときとかですか。


学費とかは微妙です。


私立大学医学部に入ったからとかはあるかもですけど。


で,そーすると,相続人は遺産が減る場合がでてきます。


なら,遺恨を生み出しやすい問題でもあるやもやし,
実際の遺産分割も簡単にいきません。


だから,結局は,遺産分割調停・審判を申し立てるってことになるんです。


だから,僕は手を引かざるを得んのです。


相続税も厄介になるので,こちらも税理士さんに任せることになるんでしょうしね。


ま,お話だけなら聞きますよ。


相談してください。


今日もありがとうございます。



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