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お墓について

お墓について(改葬)

お墓の引越しを「改葬」といいますが、近年全国的に増えているようです。その主な理由として以下が挙げられます。

1. 霊園・墓地が家から遠い

例えば、「田舎に代々のお墓があるけど自分たち夫婦も年を取ってお墓参りが負担になってきたから、現在の住まいの近くに移したい」という場合とか

2. 継承者がいない

「子供がいない」「娘一人しかいない」「子供に迷惑をかけたくない」と考える場合

3. お寺の檀家をやめたい

自分たちは継承者が不要の永代供養墓を生前購入し、お墓に入っていたご先祖様も同じところで供養する場合

ところで、この「改葬」に伴い、「手続」が必要なことは意外と知られていないようです。

で、この「手続」がちょっと面倒なんです。

不幸にも、身内が他界してお墓へ納骨された経験がある方、どうです覚えてます?

本当は、次のことをするんですが僕みたいに葬儀屋さんに○投げした人
多分、多いとは思うんですが
「手続」してませんもんね、だから結局次ぎも分からなくてまた葬儀屋さんに○投げすることになってしまうんですけど・・・
でも、僕もそうですけど「そんな余裕ないねん!」「それどころやないから!」ですもん。

でも、もちろんそれなりの費用がかかる訳ですから...
極論になりますが、「お金がなかったら、自分らでするしかないわけです。」

別のページになりますが、「死後のおもな手続一覧表」記しました。
ご参考ください。

実は、大変です。自分たちだけで何から何までやろうとすると

ここでは、「改葬」の手順をざっと

火葬するときは「火葬許可書」を提出、火葬後に印を押された「埋葬許可書」を納骨時に、墓地の管理者に提出したはずです。(僕の場合葬儀社がやったと思います、僕してませんから...)

それぞれの遺骨を他所へ移すときにも、役所への申請や書類上の手続きをすることが法律上決められています。

一般的な手順は次のようになります

新しい墓所を用意して、墓地管理者に①「受入証明書」を発行してもらう

今までのお墓が所在する市町村役場から②「改葬許可申請書」を入手する

今までのお墓がある墓地管理者より「改葬許可申請書」へ署名・捺印をもらう

今までのお墓が所在する市町村役場に「受入証明書」「改葬許可申請書」を提出して③「改葬許可証」を発行してもらう

今までのお墓がある墓地に「改葬許可証」を提して、遺骨を取り出す

新しい墓地へ納骨

なお、必要な書類や、書類名、手続きは役場ごとに異なるため、あらかじめ各市町村の戸籍課などへ確認をしてください。書類は役所のホームページからダウンロードできるところが増えているようです。

また土葬であったり、地域の共同墓地の場合も手続きをしなければなりません。共同墓地から移すには管理責任者を見つけて印鑑をもらわなくてはいけません。

そこそこ、面倒です。

改葬はそれなりの準備と時間を要します。

では、次に「改葬」についての勘違いをみてみます。

-改葬の勘違い 

今の墓石を使えば、費用が抑えられる

「改葬」の費用なんですが

「お墓を移すけど、今の墓石を新しいところに持っていけばそれほど費用はかからないんちゃう」そんな風に考えたことはありませんか?

まず言えることは、墓石の持ち込みを禁止している霊園は少なくないということです。

公営以外の各霊園では、利用者がお墓を頼める石材店が決まっていることがほとんどです。開発に費用を出したいくつかの石材店が受注の権利を持ち、新しい墓石を販売することで利益を得ていることもあり、古い墓石の移設は制限されるんです。

また、たとえ墓石の持ち込みを許可しているところがあったとしても、元々あった場所から移動する運搬費用(10~20万円程度/100km)がかかります。磨き直してからとなると、墓石の大きさにもよりますが5~15万円程度の費用がかかるようです。

新しい墓石代がかからないとしても、これら諸費用が必要なことは頭に入れておきましょう。

なお、「墓を持っていきたい」と希望するケースでは、「費用が節約できるから」という理由ばかりでなく、「これまでお参りしてきた墓をこれからも使いたい」との考えもあります、愛着があるからです。

また、地域によっては、改葬の時に、一番上にあった棹石を新しい墓所の基礎下に埋めるという風習を持つところもあるようです。「墓石に思い入れがある」という場合、そんなやり方も一つの選択肢になるかもしれません。

-改葬をする際「お墓が建っていた区画(墓所)を誰かに売ろう」という考えです。

お墓の場合「買う」とはいいますが、正確には所有権ではなく使用権に対してお金を出したことになります。これまではその場所を借りていただけで、誰か他の人に転売することはできないんです。

さらに、管理者に墓所を返す時には、墓石を撤去し、更地にして返すことが原則となります。(アパートを借りて出て行くときの「原状回復」と同様です。)

その費用は自分持ちです。地域や業者によりますが、5万円~/1㎡)がかかるようです。

改葬に伴い、この「墓石撤去費用」については最低限必要となります。

前述しましたように、古い石を新しい墓所で使う場合は、これに、「運搬費用」「磨き直し代」などがかかります。

また、新しいお墓を購入する場合の費用も考えて、トータルの経費を比較してどちらを選択するか判断することが賢明と言えそうです。

また、改葬には、こうした実費意外に、宗教的な費用もかかってきます。

-「寺院墓地も民営霊園も、手続きは同じかしら...?」

新しいお墓が出来た時に行う「開眼法要」をするんですが、立会ったことあります?

単なる石を「墓石」にするため、そこに魂を入れる儀式で、一般的には僧侶を呼び、お経をあげてもらいます。

改葬によって、お墓を閉じる時には、これとは逆に墓石から魂を抜く、「閉眼法要」を行います。

ということは、「改装」のときも僧侶を呼ぶことになります。

と、お布施などが必要になります。

他にも、「改葬」における宗教的費用はこれだけではないんです。

お墓が寺院墓地にある場合、離檀料(お布施)がかかることがあります。

というのは、多くの場合、「寺院墓地に入る」すなわち「檀家になる」ことですから、最初に「入檀料」を支払います。

で、お墓を移す時は、檀家を離れる(離檀)ことになるからです。

「離檀料って、絶対いるん」「いくら?」ということですが

お寺さんによって、まちまちのようです。
中には「お寺から金額を指定された」という例もあるようです。
離檀料に決まった額はありませんし、法的にそれを支払わなければいけないという決まりもないため、納得がいかない場合は話し合いとなります。

このように寺院墓地からの改葬の場合、公営や民営霊園とは違い、書類上の手続きだけではすまないことが多々あります。

お寺にとってお墓の改葬とは、檀家が減ること、お寺の経済を支えるメンバーが少なくなることです。その経営に直結すると言う意味から、なかなか許可をもらえないことがあるんです。

ただ、お墓の管理者であるお寺から、許可書にを押してもらわないことには「改葬」は進められません。

話を切り出す時には、離壇を納得してもらえるよう、理由をきちんと説明すると同時に、これまでの先祖供養に対するお礼を伝えることをお勧めします。

お寺は、単に「お墓がある場所」というだけではなく、檀家さんの誰かが亡くなればその方の死者供養をしています。葬儀やお彼岸などの節目はもちろん、朝夕に供養のための読経をあげたりしているんです。

お寺と檀家の関係は以前ほど密ではなくなり、お付き合いの基本的なところさえ、意思の疎通がスムーズにいかなくなっています。

檀家は、お寺の経済を支えるという意識が希薄になり、一方のお寺側はこれまでの慣習に頼り、それぞれの檀家へ目を向けることを怠っている面もあるでしょう。

改葬は「お墓参りが遠くて不便」といった、地理的な理由がほとんどですが、一部、「お寺との付き合いが面倒だからお墓を移す」といったケースもみられます。そんな寺院墓地からの改葬の要因の一つは、両者のコミュニケーション不足にもあると感じています。

今後のことを考えてみるよい機会かもしれません。

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