福祉型自己信託
福祉型自己信託
自己信託なんですけどね。
これ、「委託者が自分自身を受託者として、自己の財産を他人のために管理・処分する旨を意思表示することによって、信託を設定することを言う」
だから、
委託者と受託者は同一人物ということになります。
「…」
でしょうね…
詐害信託っちゅうんがあって,それしたらあかんよ!にまつわったりします。
詐害信託はブログで検索してみてください。
「そや、今のうちにこれ、信託したら、債権者から逃げられるわ…」
あ・か・ん。
あれです。
でもね、法改正でこれが定められました。
背景には、そう、福祉型家族信託の展望があったんです。
そして、僕が相談を受けるのんが多いのんも、これにまつわることなんです。
で、自己信託に関しては、
ま、「委託者と受託者がおんなじ人か」
で理解しといてください。
こんな相談でした。
70歳を過ぎたご婦人からでした。
だんなさんは、亡くなって、一人息子さんと同居して生活されてるんです。
遺産で文化住宅を所有されており、年金とそれの家賃収入で暮らしを続けているとのことでした。
一般の方よりは、不動産収入がある分、恵まれているとは思います。
で、一人息子さんは、40歳を過ぎた知的障碍者とのことでした。
「かなり、深刻な悩みを抱えていらっしゃる…」と一瞬で判断できました。
運の悪いことに、親族とも疎遠だとのことでした。
で,相談の動機がテレビというのが少々,気に食わんかったんですけど,信託したいとの希望だったので、
跡継ぎ遺贈型信託を提案しました。
だって、財産管理をせんといかんし、
家賃があるので、給付せんとあかんしと考えたんです。
でも、ハードル。
そう、受託者です。
親族とは疎遠で、信頼できる知人もいないっておっしゃってました。
「こら、あれしかないかしら…」
そう、自己信託です。
でもね,電話相談ぐらいじゃ,スキームを説明するまではいきません。
その後の面談にもたどり着かなかったです。
こーすりゃ、良かったと思うので、ご紹介しようと思いました。
受託者…
やっぱり、障害にはなるわな。
それどころか、大きな壁やわ。
でも、クリアせんと先に進めません。
できれば、自己信託でない道を模索したいとは思っています。
で,今更ですけど,信託のスキームには,僕自身もとても心に摩擦があります。
もー、どーしよーもないんですけど。
このスキームは、ある程度の資産をお持ちの方しか活用できません。
そこのところは、理解してください。
ない袖は振れません。
冷たく、突き放すつもりは毛頭ないです。
でも、誰も彼も、このスキームが使える訳ではないことだけは、分かっといて欲しいです。
万人が平等とは、現在は至ってないです…
じゃ、続けますね。
母親は、「知的障碍者である息子さんの将来をなんとかせんと…」と思ってます。
「あたしがなんとかできる時まで、私が守る、でも、私が逝ったらどーなるんかしら…」です。
えらいこっちゃです。
まず、信託財産は、相続財産とイコールですね。
で、信託の期間は、息子さんの死亡までとしましょう。
で、信託設定時なんですけどね。
お母さんが、なんとか、息子さんの世話をできるんやったら、やる。
ということなんで、これ、お母さんは、委託者兼受託者兼当初受益者です。
当初受益者っちゅうんは、言葉どおりです、初めの受益者です。
というのは、息子さんが第二次受益者になるからです。
で、「私が逝ったら…」です。
「あれっ?」
そう、ご推察のとおり、受託者が不在になります。
だって、スタートは、自分が受託者やからなんとかなったんです。
で、受託者なんですけど。
「おらん…」
じゃ、作りましょう。
になるんです。
考えられるのは社会福祉法人か、
社会貢献型の認定NPO法人になるようです。
さすれば、息子さんは、お母さんが逝ったのちは、その法人が受託者となり、息子さんを受益者として、守ることが可能です。
そう、とどのつまりは、受託者は要るっちゅうことに変わりないんです。
ハードルは一段あがります,でも,やる価値はあると思います。
あなたのQOLのためにもね